第31話

麻雀をした。とんでもなく運が良かった。嬉しいけど、そっちじゃないんだよなあ、噛み合わないなあ。

卒論の第1稿をあと3週間で書かなければいけないらしい。まあ無理だ。なんせ構想だけで他は何もしてない。生きてくってそういうもんじゃないのかな。少しの理想、目的地だけ持って、あとは波に身を任せる。それじゃダメ?

内定先の配属アンケートが始まった。いよいよって感じだ。会社が決まってから言うのもアレだが、俺は相手の色を見極めて、その人に合った上着をかけてあげられる仕事がしたい。何を売るかは問わない。日々悩むような仕事だと尚良い。

風邪を引いた。熱が39℃まで上がってすごく辛かった。今は薬を飲んでだいぶ落ち着いたけど、寒気が止まらないのは生まれて初めてだったな。でも昔から、風邪を引くとみんなが優しくて、案外嫌いじゃないんだ。小学生の頃、学校を休むとクラスメートがその日の授業内容を書いた紙を家に届けてくれていた。同じ班の友達や、隣の席の女の子からのメッセージがやけに嬉しかった。

「理想のお嫁さん」についての話をした。俺の理想は背伸びをしないでいてくれる人だ。頭の中がこんなんだから、時々自分でも制御できなくなる。暴力みたいに危害を与えるようなものにはならないんだけど、自分の心をとことん痛めつけてしまう。そんなときに「まあ梨でも食えよ」って言ってくれたらそれでいい。無理に分かろうとしなくていいんだ。俺にだって分からないんだし。

あと、無駄が嫌いじゃない人。俺の人生、無駄だらけだからな。基本寄り道ばっかりだ。あてもなく歩いていたら、歩くのがすごく楽しくなって、どこに向かっていたか分からなくなることだってある。それに合わせてくれる必要もないけど、常にゴールを持っていたい人は、俺みたいなのを好きになれないだろうな。今やりたいと思っている仕事だって、1年もすればきっと変わっていると思う。やっているうちに、何か別の楽しみを見つけるんだろう。

 

寝よう。熱があるときは大抵「あの」夢を見るんだよな。嫌だなあ。気が遠くなる感覚だけをずっと繰り返すんだ。海のど真ん中に一人きりだったり、締切直前に全部をやり直すことになったり、そういう類のものだ。見るのは具合が悪いときだけなんだよね。どういう原理なんだろう。

明日は絶対に論文やろう。3段階あるうちの1段階目までは終わらそう。