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第49話

高校のクラス会に行った。久々にお酒で遊ぶということをした。みんな大人になってたな。仲良くしてくれていた人たちは、相変わらず優しくて安心した。2次会も思いのほか人が多かったから、俺の好きな1対1でじっくり話すやつは席の近い人としかできなかった。話したい人が増えた、って感じだな。コートと靴のことを色んな人から褒められた。作戦勝ちだ。担任からは「お前タバコ吸ってるのか。まあ一番吸ってそうだったもんな」と言われた。作戦勝ちだ。

春休み、家族で旅行に行く計画をしている。ハワイか沖縄か北海道だ。俺はハワイがいい。でも沖縄もいいな。北海道も捨てがたい。なんというか選ばないというのは、捨てたみたいで心が痛むんだ。物を捨てられないのもこのせいだ。思い出があるからではなく、テレビが可哀想なんだ。

帰りの駅で、酔っ払った外国人から話しかけられた。彼は日本に15年住んでいるが、未だに人の冷たさが好きになれないらしい。俺は結構好きだけどな。みんな心の底はあたたかいんだ。それを引き出すのが生きることの大変さであり、醍醐味だ。どっちが良いでもないけどね。

 

もう一度会いたい人が多すぎる。いつもそれを押し殺して生きている。無理矢理前を向いているから、過去に触れると振り向き方を思い出す。夢の中にだけ生きられたらいいのに。この孤独に打ち勝つのが大人になることなら、俺は死ぬまでガキでいい。

一人で歩いていたら、ずっと解けなかった方程式の解き方が分かった。正直これがあるから一人はやめられない。忘れないうちにメモ帳を開いたけど途中でやめた。後で思い出せない閃きなら、所詮その程度なんだ。出会いと別れはプラスとマイナスじゃない。