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第46話

正月が終わった。てか気付いたら明日から学校だし。いや明日は授業ないから月曜日から。月曜日は成人の日だから火曜日から?寂しいけど、このまま正月が続くと体重が100kgくらいになりそうだから、とりあえず来年までさようなら。

今年は思ったよりたくさん年賀状が届いた。俺はちょっとふざけすぎた。というかメッセージが少なかったな。中学生の頃、同じクラスの口数の少ない女の子が好きだった。その子からもらった年賀状のメッセージは量がすごく少なくて、だけど1年をしっかり振り返ってくれてて、めちゃくちゃ嬉しかった。以来それくらいの量が俺の基準になっている。

 

弟が実家に帰ってきている。実は俺と同じ高校に通っているのだが、片道2時間もかかるもんだから、卒業まで都内にある母の実家に居候している。進学が決まって落ち着いたから、今は実家にいる。最近お洒落に興味を持ち始めて、なんだかウザい。モード系がどうとか、レイヤードのシャツがどうとか。この前は椿山荘でのバイト中にスカウトされて、代官山の美容室でカットモデルがどうとか。家族はみんな大学進学祝いに何を送るかで大騒ぎだ。特に実家で同居している父方の祖父母は、母方の祖父母に弟をとられまいと、本当に車でも何でも買ってあげるという勢いだ。俺は誰よりも先にアメリカでネクタイを買ってきたのだが、パソコンやら高級コートやらに埋もれている。金よりハートだ、弟よ。

 

家の裏手にある公園が、少し綺麗になった。俺が屋根の上で漫才やってて穴空けた防災倉庫も、やっと新しくなった。熱を出したさきちゃんの代わりに、お母さんからバレンタインのチョコを渡されたあのベンチもツルツルになった。頂上で縄跳びしてて先生に呼び出された滑り台は古いままだった。

俺が10年以上前に流行らせた鉄棒綱渡バスケを、知らない小学生がやっていた。ちょっと嬉しいけど危ないからやめた方がいいよ。あとゴールは1点じゃなくて2点な。