第45話 謹賀新年

おせちが美味しい。これこそが恵まれた家庭の条件だろう。駅伝を観ながらおせちの残りを食べる。

今回の年越しは、生まれて初めて家の外に出た。幼馴染みと酒を飲みながらカウントダウンをして、カラオケで夜を明かした。20年以上一緒にいて、もう家族みたいなもんだから、初のイベントという感じもあまりしなかった。

始発が動き始めた頃に家に帰って、少し寝て、家族と初日の出を見た。まあこれは小さい頃からの恒例というか、むしろ日の出のために土手まで弟と競争をするのが昔からメインイベントだった。前回初めて負けたのだが、悔しいようで嬉しかったのを覚えている。

初詣は割と楽しかった。おみくじは大吉だったし、俺が先のアメリカ旅行でカメラの修行をしてきたので良い写真がたくさん撮れた。家に帰って年賀状の仕分けをした。とはいえ初日から500枚近いし、毎年一人で仕分けてるし、そのうち俺宛は3枚だし。つまり大事なのは、変わらないということだ。ルーティンだ。幸せにも色々あるんだな。

こういうバラエティを楽しむというのが、今年の目標だ。集中できたときにしっかり暗記するのは勿論だが、なかなか集中できないときにしか覚えられないものもある。案外こっちが大事だったなんてオチもよくある。

 

今日は新年初ショッピングに行く。アウトレットはいつ行ってもワクワクする。作った人すごい。テレビとか雑誌とかもそうだ。あれって「これならみんなワクワクするだろうな」と思って作るのかな。それとも自分のワクワクするものを作ったら、みんながそれにワクワクするのかな。どちらにせよすごい才能だよな。