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第30話

親父の夢を見た。いつも同じ夢だ。どこかの遊園地にあった、さびれたゲームセンターで、一緒にUFOキャッチャーをやっている。あれはどこの遊園地だったか、いつも思い出そうとするんだけど、いつも思い出せない。そしていつも「見られなくなったら嫌だなあ」と考えて思い出すのをやめる。

故人の夢を見るときは、故人が我々を心配しているらしい。前にお坊さんが教えてくれた。会えなくても会えるという現象が、この世界にはある。友人の話に父が出てきたり、本や記事の中に父の名前が書いてあったり。自分や兄弟の顔に父を感じたり。まあ、嬉しいけど80点ってところだ。

今日は意識して、一日中過去にしがみついていた。明日からは前を向く、自分とそういう約束をした。俺の意志は固い。なんせ今はカップ麺をすすりながらこれを書いている。

冗談はさておき、生きる意味を探すために生きる、俺が挫折したときには必ずこの時期が訪れる。実はこれが一番幸せだったりもする。何が起きてもご褒美のように感じられるからだ。お腹が痛くてたまらないときは、痛みが引いただけでも気持ちよく感じる。それと同じだ。

 

祖父の誕生会をした。ウォーキングにハマってるみたいだから、ウォーキング用に色んな小物をプレゼントした。万歩計とか、夜道を照らすネックレス型のライトとか。あと一緒に焼酎を飲んだ。喜んでくれてるといいな。俺はすごく美味しかった。ハタチの誕生日に飲んだ酒とは、また違う味だった。小学生の頃に、祖父と魚へんの漢字を覚えた日のことを話したら、全く覚えてないと言われた。恥ずかしいから覚えていてくれ。

湿っぽいことばかり書いてしまった。まあ水をやりすぎると、こうなることもあるんだ。みんな心配してくれてありがとう。