第20話

毛布を使い始めた。あったかい。気持ちいい。もちろん寝坊した。腰が痛い。横を向いて寝るのはやめよう。毛布は続行だ。

ブックオフでブルーレイ売り場を見ていたらX JAPANのブルーレイBOXを見つけた。でも3万円。うーん、迷う。明日の夜勤でも稼ぎきれない。まあ我慢して美味しいものでも食べよう。

近頃、相談が多い。俺はアドバイスできるほど生きてないのに。あいつら、だいたい自分の悩みが消えたらいなくなる。俺もかなり悩んでるんだけどな。まあ無理矢理話せば聞いてくれるんだろうけど、

「あげるからちょうだい」「くれたらあげる」は連鎖する。俺のところに辿り着くのはだいたいそれにやられた人。「くれなくてもあげるよ」が欲しいのだろう。どれも俺は言ってないのに。悲しい。悲しいけどこれはエゴだから仕方ない。前にも言ったが「優しくなりたい」なんてのは自己満足だ。でも誰かが連鎖を止めないと。愛なき時代に生まれたわけじゃない。

机の上をぼーっと眺めていた。スケッチでもしようか。2年前、アメリカへ行くときに買ったカメラが置いてある。そうだ、写真を撮りたい。とりあえずスケッチをした。同じ角度から写真を撮った。俺の見ている世界の方が明るい。少し嬉しかった。

浜田省吾。純白のメルセデス、プール付きのマンション、最高の女とベットでドン・ペリニヨン。全部手に入れたいな。年々欲しくなる。