第3話

朝からジムに行った。俺の筋肉量は並外れているらしい。そんな風に見えないよね。皮下脂肪もたくさんあるからなんだそう。要するにあれだ、男は見た目じゃない。中身だ。

友達と喧嘩した。昨日の夜、母とも同じような喧嘩をした。俺の脳は「どうにもならない」が苦手だ。こいつからくる喧嘩が後を絶たない。例えると

俺「頭痛い」

バファリンが効くよ」

俺「バファリン持ってないなあ」

「そっか、残念」

俺「え?それだけ?くれないの?」

「いや病院行きなよ」

こんな感じ。どう見ても優しい友達と面倒くさい俺だけど、俺はこの「そっか、残念」がすごく怖い。洞窟に置いていかれた感じだ。俺の頭痛は治らないけど、この人は薬を持ってたから治った。相手は悪くないから責められない。とはいえ俺がバファリン持ってないのだって悪じゃないよな。つまるところ、羨ましいんだ。

弟の書類を手伝った。なんでも内部進学にあたって、学部ごとに志望動機を書くらしい。というか俺も4年前に書いた。珍しく「お先真っ暗だ」なんて言ってる。とてもいいことだ。人生見えているものばっかりじゃつまらない。どうしたのかと聞くと彼女にフラれたらしい。とてもいいことだ。

明日は夜勤だ。暇だったら勉強しよう。面白いことがあったらたくさんメモしてこよう。