エピローグ

やっぱりちゃんと書こうか。日記だし。 大学では本当に沢山の人に良くしてもらったけど、一番長い時間を共に過ごした集団は二つ。一つは学部の腐れ縁。いわゆるGESSってやつ。もう一つはドイツ語で仲良くなった奴ら。まあ友達が少ないと言えばそこまでだけど…

特別編 卒業

この1週間、何をするにも「最後」という言葉が付きまとっていた。それがあまりに嫌で、ちょっとまとまった文を書きたいと思っていた。とはいっても最終話なんて言った手前、日記にするのはあまり気が進まなかった。それがどうして、という話。まず昨日までの…

最終話

試験が終わったらというのは心のどこかで考えていた。最後だからどうというのもない。何かが終わるときはいつだって、何事もなかったかのように終わる。楽しい旅行でも、人の命でも。だから駅前のラーメン屋のように、このURLがいつの間にか別の日記に変われ…

第59話

フェデラー対ナダルを観た。とてもいい試合だった。お互いの良さが光っていた。この先一生テニスの試合が観られなくてもいいかもしれない。それぐらい感動した。 明日は最後の試験だ。式典以外で学校に行くのも最後だ。卒業できればの話だけど。まあ多分大丈…

第58話

時間が足りない。卒論の締切は明後日、試験も明後日から、卒論発表は来週。悠長に寝ている場合ではない。 バイト先で苦情をもらった。俺に対する苦情ではなく、別の部署に対して。詳しいことは書けないけど、客が「前にも使ったがこの工場はマズいだろ〜」と…

第57話

授業中に眼鏡が壊れた。新しく買ったものが明日家に届く予定だった。なんというタイミングだろう。何かを察したのだろうか。君を捨てるわけじゃないよ。むしろ新しいのより使うよ。 友人が皆卒論に追われている。俺も提出したとはいえ、誤字だらけだし、これ…

第56話

「楽しいままで終わりたい」と言って中学生が命を絶ったらしい。俺の周りはみんな彼女に賛成だ。俺は「もっと楽しい時があるかもよ?」と思うんだけど、「大人になると苦しいことがたくさんあるから、それはない」というのが世論らしい。なんかよくわからな…

第55話

寝癖がひどすぎて、祖父に「雲霧仁左衛門みたいだ」と言われた。調べたらこんな感じらしい。 横を向いて寝るクセがある。横向きは身体に悪いと分かっていても、仰向けはなんだか落ち着かない。本能だろうか。 取っている授業の先生がゲスト講師を連れてきた…

第54話

朝シャンの後、必ずアンメルツを塗る。今日は塗りすぎて少し寒くなった。いや結構寒い。ちょうどいいって難しい。 何もすることがないから、スペアリブを作ってみた。なんでスペアリブかっていうと、時間がかかるからだ。隠し味に苺ジャムを入れろというレシ…

第53話

髪を乾かす時間が好きだ。自分だけを見ている。あとあったかい。最近少しだけ身だしなみに気を使い始めた。礼儀として。 匂いが本能的に大事な話をした。それで思い出したけど、声の好みも本能の問題らしい。自分で言うのもアレだけど、俺は声がいいと異性か…

第52話

世間はこの週末、センター試験らしい。俺は大学受験をしていない。高校受験しかわからない。あの頃はなぜか自信に満ちあふれていて、合格発表に行かないことすらあった。そもそも俺は小さい頃から、緊張したとき自信満々に振る舞うことで「俺は有利な状況に…

第51話

51という数字は好きだ。どうしてだろう。なんというか俺のことを分かってくれる気がして。それぞれの数字にイメージがある話は長くなるからやめとこう。むしろ俺はこの感覚が弱い方だ。 昨日今日と久々のバイトだったけど、意外となんとかなるもんだ。だけど…

第50話

今日は久々に登校した。明日からはちゃんと授業に出よう。明日は久々にバイトだ。長いこと休んでたから研修に入らないといけない。嫌だなあ。でもさすがにお金が足りない。色々なものが足りてない。金だろ?単位だろ?それからやる気も足りないし、体力も足…

第49話

高校のクラス会に行った。久々にお酒で遊ぶということをした。みんな大人になってたな。仲良くしてくれていた人たちは、相変わらず優しくて安心した。2次会も思いのほか人が多かったから、俺の好きな1対1でじっくり話すやつは席の近い人としかできなかった。…

第48話

アイロンってすごくいい匂いがするよな。さして大変でもないし、服はかっこよくなるし、すごく好きだ。 朝からリンゴを食べた。すごく美味しかった。紅茶も美味しかった。朝っていいな。大学4年目でようやく気付いた。ランニングする習慣でもつければよかっ…

第47話

正月に買ったSurface 3が届いた。かなり安く買えた。福袋だからキーボードの色が選べなくて不安だったんだけど、一番欲しかった朱色が当たった。朱色っていいよね。色もいいけど、名前がいい。初恋の相手の名前と同じ字だ。今年はいい感じだぞ。 最近、午前…

第46話

正月が終わった。てか気付いたら明日から学校だし。いや明日は授業ないから月曜日から。月曜日は成人の日だから火曜日から?寂しいけど、このまま正月が続くと体重が100kgくらいになりそうだから、とりあえず来年までさようなら。 今年は思ったよりたくさん…

第45話 謹賀新年

おせちが美味しい。これこそが恵まれた家庭の条件だろう。駅伝を観ながらおせちの残りを食べる。 今回の年越しは、生まれて初めて家の外に出た。幼馴染みと酒を飲みながらカウントダウンをして、カラオケで夜を明かした。20年以上一緒にいて、もう家族みたい…

第44話 帰りたくなるのは何故?

さっき、少しだけ帰国が楽しみだと思ってしまった。今日は友人の大好きなヒューストンテキサンズの試合を観た。夏からずっと計画していて、彼がこの旅行で一番楽しそうな顔をしていただけに、なんていうか申し訳なかったし、それを考えたのが偶然ベッドの上…

第43話

いよいよ明日出発だ。フゥー!アメリカフゥー!楽しみで眠れないけど現金が全然ないな。現金全然ないけど楽しみで眠れないな。でも小学生の頃、遠足の前日は眠れないみたいなのは全然なかった。むしろ授業参観で発表する前の日とか。コンクールの前の日とか…

第42話

旅行の準備をした。缶詰、ご飯、レトルトカレー、カップ麺。予想以上に食べたくなるんだよなあ。考えた末にナイキのリュックを買った。すごく良い。かっこいいし軽いしたくさん入るし紐少ないし。 今日はとても風が強かった。風が強いの本当に嫌いだ。雲がな…

第41話

母と話していたら「もっと自分を知りなさい」と言われた。自分を知るとき、「何がしたい」「何が好き」ではダメらしい。それはリスク、常識、経験、そういうものを足し算引き算をした後の「答え」だ。もっと最初のところ、欲求を知らないと。快感を覚えるの…

第40話

音楽はいい。何がいいかよく分からないが、現実逃避の苦手な俺にはこれくらいしか逃げ場がない。 最近、文字を書くことにハマっている。大学に入ってから字を書かなくなったこと、良いボールペンに出会ったこと、卒論に手計算が必要だったこと、きっかけはた…

第39話

卒論を書き終えた。ついに大学生活も終わりだ。まさかこんな時期に終わるなんてな。インフルエンザとマイコプラズマに感謝だ。 締切に追われ、真夜中までエクセルをいじっていると思う。仕事ってこんな感じなんだろうか。こんなこと言ったら社会人に怒られそ…

第38話

髪を切った。頑張ろう。 腰が痛い。テニスボールに乗っかるのがよく効く。腰が痛いときは、だいたい肩も凝ってる。肩が凝ってるときは首もだ。首は目からきてる。だからどこかが痛いときは、全部一気に治さないと意味がないんだってさ。 アメリカが近付いて…

第37話

寝不足だ。毎日論文を書いていたら、意外と楽しくなってしまった。冷たい雨がなかったら、歩きながら寝ていたかもしれない。電灯がチカチカしているのか、俺の目がショボショボしているのか、わからなかった。 友人と飲みに行こうと思ったのだが、彼は糖質制…

第36話

コートは暑い、だけどマフラーや帽子がないと寒い、これがちょうどいい。ヒートテックは不器用でどうも好きになれない。寒いときは生地が冷たいし、暑いときは熱が逃げない。 みんな旅行に行っている。俺も早く行きたい。そんでもった誰よりも楽しそうな写真…

第35話

朝、息が白かった。冬の匂いもした。ストーブが恋しいね。あとおでんも恋しい。 ニット帽をかぶる季節は、髪を整える必要がないから楽だ。普段、寝癖直しを兼ねてシャワーを浴びているわけだけど、寝癖を直す必要がなくてもシャワーは必要だ。なんていうかル…

第34話

寒い。まだちょっと咳が出るからメンソールのタバコを買ったけど、あまりに寒くてギブアップした。 アメリカで大統領が決まったらしい。政治のことはよく分からないけど、世の中は動いたり動かなかったりを続けるのだと思う。俺が何時間も座ってられないのと…

第33話

ようやく熱が下がった。通学許可も出た。ゼミで発表をした後、久々にタバコを吸った。半ば吸わされる形だったが、なんだかようやく元の世界に戻ってきたって感じだ。タバコが吸いたかったわけじゃないけど、以前やっていたことをやりたくてウズウズしていた…