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第55話

寝癖がひどすぎて、祖父に「雲霧仁左衛門みたいだ」と言われた。調べたらこんな感じらしい。

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横を向いて寝るクセがある。横向きは身体に悪いと分かっていても、仰向けはなんだか落ち着かない。本能だろうか。

 

取っている授業の先生がゲスト講師を連れてきた。本でも一緒に書いた人かと思ったら、奥さんらしい。なんだかスタートからほっこりしてしまった。

午後はずっと胸が痛くて、タバコ吸いすぎたときの肺の痛みではなくて、なんか心配だ。まあ帰りの電車ではもう治ってたから大丈夫だろう。

 

風呂に入りながら一日を思い返していると、あったかくて気持ちいいからか、良いことばかり思い出す。あと普段気にしてないはずの天気のことをよく思い出せる。

今日は風がめちゃめちゃ強かった。チェスターコートを着てると、少しくらいの風なら裾がたなびいてカッコいいんだけど、さすがにこれは嫌だ。あとスニーカー用に短い靴下をはくと、隙間から風が入ってくる。これも少しなら心地良いのに、ここまで強いと不快だ。だけど午後になって風がやむと空気が綺麗だし、冬の匂いがして割と好きだ。好きとか嫌いで生きるのはちょっと勿体ない。

明日はゼミがないから一日暇だ。ちょっと得した気分。音楽を聴きながら、散歩にでも行こうかな。そんで、帰りにお気に入りのラーメンを食べよう。あといい加減手帳買わないと。よし決まった。昼前には起きられるように今日は寝よう。

第54話

朝シャンの後、必ずアンメルツを塗る。今日は塗りすぎて少し寒くなった。いや結構寒い。ちょうどいいって難しい。

何もすることがないから、スペアリブを作ってみた。なんでスペアリブかっていうと、時間がかかるからだ。隠し味に苺ジャムを入れろというレシピだったんだけど、高いジャムしかなくて泣く泣く入れた。これが高いジャムを入れたからなのか、隠し味に苺ジャムを入れたからなのかは分からないが、めちゃめちゃ美味かった。

 

将来何しようかなあ、なんて考えていた。就職の話をするとよく「将来起業するの?」と聞かれる。別に急がないけど、やりたいことはある。やりたいというほどでもない、「誰かやらないかな」程度だ。

「そこを褒められると嬉しい」と言われると嬉しい。人を褒めるとき言葉を選んでいるわけではないし、盛っているわけでもないけど。俺の幸せが相手の幸せと繋がっていることを感じられる。まあ、中にはそれを期待して来る奴もいる。そんなのは見なければいい。

 

正直、今日の心の荒れ方は尋常じゃなかった。そんなときに限って空は綺麗に見える。腹が立ってきたから、コートも着ず、イヤホンもつけず、1時間くらい歩いてやった。タバコもたくさん吸った。そんなに汚けりゃ笑えばいいさ。部屋もお風呂もピカピカにした。

第53話

髪を乾かす時間が好きだ。自分だけを見ている。あとあったかい。最近少しだけ身だしなみに気を使い始めた。礼儀として。

匂いが本能的に大事な話をした。それで思い出したけど、声の好みも本能の問題らしい。自分で言うのもアレだけど、俺は声がいいと異性からよく言われる。でも自分の声、大嫌いなんだよな。通らないし、鼻声だし。自分で気に入ってない部分を褒められたとき、あまり素直に喜べない。

 

今日は日曜日だとばっかり思っていたが、土曜日らしい。なんか一日得した気分だ。小学校の頃、こんなことがたくさんあった。でも逆のときが最悪だ。休みだと思ってたら親に起こされた。そっちのが多かったな。

熱で学校を休んだ日の、遅い朝食が好きだった。あと休んだ日にしか観られない番組も。でも昼頃には熱が下がるのに、一日中外に出してもらえないのがつらかった。

 

テニスボールを使うと肩こりが嘘のようになくなる。この方法をテレビで見かけなかったらと思うと恐ろしい。

第52話

世間はこの週末、センター試験らしい。俺は大学受験をしていない。高校受験しかわからない。あの頃はなぜか自信に満ちあふれていて、合格発表に行かないことすらあった。そもそも俺は小さい頃から、緊張したとき自信満々に振る舞うことで「俺は有利な状況にいる」と自己暗示をかけるクセがある。そんな奴に中学生特有の全能感が身に付いてしまったもんだから、それはそれは酷かっただろう。白くなったカイロをお湯で戻していたら、当時のことを割と鮮明に思い出した。

 

第一志望の試験当日、親父からの置き手紙が嬉しかった。その横には親父が通っていた頃の制服のボタンが置いてあった。家族にはクールに振る舞いつつも、ボタンを握りしめて電車の中で2時間震えていた。半分は武者震いだったけど、本当に本当に怖かった。

初めて見る志望校。小学生の頃から憧れていた。「どうしてもここに通いたい」という欲に邪魔をされるのが嫌で、入試当日までは絶対に行かないようにしていた。学校の名前をネットで調べるようなこともしなかった。思いのほか綺麗な校舎だった。トイレで顔を洗って、精神統一をした。この辺から恐怖は消えていた。教室で不安そうに参考書をめくる奴らを見て、これまた根拠もなく「今日は勝ちだ」と思ったのを覚えている。今思えば試験会場は、高1のクラスの教室だった。そうやって、常に追い風が吹いている時期だった。自分でも感じていたからタチが悪い。試験が終わってからは「受かった」でも「落ちた」でもなく、コンビニからの帰り道のような心で家路についた。手応えはよかった。

翌日、早朝から雨が降っていた。俺はとんでもない雨男だから、受かってたんだと思った。合格発表の前に別の学校の試験を受けて、同じ道を急いだ。発表の日は家族がついてきて、先に学校で待っていた。みんな、怖い顔をしている。「ハッハッハ、まさか。ていうか受かってるじゃん。なーんだ、泣くほど嬉しいと思ってたけどこんなもんか。」それくらい軽いノリだった。15歳なりに、精一杯恐怖と闘っていたんだ。

後で聞いたら、俺の受験番号は「20521」なんだけど「521」だか「251」だか分からなかったらしい。251は無かったのだそう。あと、嬉しいのは後からきた。

 

ずっとクリアできなかったゲームを、一晩かけてクリアした。高校まではどんなに遅くても23時に寝ていたのに。大学は本当にいいとこだから、みんな頑張って夢を掴んでほしい。

第51話

51という数字は好きだ。どうしてだろう。なんというか俺のことを分かってくれる気がして。それぞれの数字にイメージがある話は長くなるからやめとこう。むしろ俺はこの感覚が弱い方だ。

昨日今日と久々のバイトだったけど、意外となんとかなるもんだ。だけど「このトークとこのトークの間はちょっと時間が出来るから書類を〜」とか「電話がかかってきたらまず電話番号をコピーして〜」とか、効率化のために心がけていたことはすっかり抜け落ちていて、2日間働いてようやく取り戻した。だけど「どうしてこんな便利なやり方に気付かなかったんだろう」「こっちの言い方のが親切じゃない?」という発見もたくさんあった。意識して積み上げたものなんてすぐに忘れる。物事との距離ってのは無理して慣れるもんじゃない。色々と変えてみるもんだ。人間関係もそう。

上司によれば、俺の強みは客の言いたいことを先読みする力だそうだ。確かに得意かもしれない。極端な言い方をすれば、最初の「もしもし」とか「あの〜」で用件は大体掴める。嫌なことというのは想定していればそこまでダメージを受けない。嫌なやり方だけどこれもたまには大事だ。

 

昨日、早く寝たかったけど面白そうな映画が始まってしまった。 仕方ないから録画したけど、録画したものってあんまり観ようと思えないんだよな。冷めたご飯みたいに「それはそれで美味しい」ってのがないんだよなあ。

そういえば、ようやく絵葉書の飾り方を思いついた。高校の頃UFOキャッチャーでとったフィギュアのスタンドがピッタリだった。こんなこともあるもんだ。

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第50話

今日は久々に登校した。明日からはちゃんと授業に出よう。明日は久々にバイトだ。長いこと休んでたから研修に入らないといけない。嫌だなあ。でもさすがにお金が足りない。色々なものが足りてない。金だろ?単位だろ?それからやる気も足りないし、体力も足りない。時間は捨てるほど余ってる。追い込まれないと頑張れない癖は、社会に出る前に直さないといけないと思う。

電車で「子供の自分に一つだけアドバイスできるなら、何を伝えますか?」という広告を見かけた。そうだなあ。しっかり頭使って考えたけど、特にない。いや俺の人生は後悔ばかりなんだけど、その時に戻れるとして何かするかと言われると、微妙なところだ。嫌な過去だけ消せるなんて、都合が良すぎるじゃない。嫌な奴と出会わないように過去を変えたら、奥さんとも出会わなかった、みたいな。だから今に満足しているというより、何が起こるか分からなくて怖いからやめとく。でも「これからたくさん良いことあるから楽しみにしてろよ」とは言ってあげたい。うつむいて歩く者を、希望の光は照らさない。

後悔しない生き方って、なんだろう。やっぱり「自分」として生きること、「自分」の欲求を満たすことだと、俺は思う。俺にとってのそれは何かって考えると、人を笑わせるってことかなあといつも思う。「あったかい人間はあったかく死んでいける」って、漫画で読んだ。いやあ、まだまだだよね。ほんとに。(笑)

 

無性にケンタッキーのチキンを食べたくなった。コーラやガリガリ君なんかもこの現象がある。そういうときに限って、食べるもの決まってるんだよね。こんなことばっかりさ。

第49話

高校のクラス会に行った。久々にお酒で遊ぶということをした。みんな大人になってたな。仲良くしてくれていた人たちは、相変わらず優しくて安心した。2次会も思いのほか人が多かったから、俺の好きな1対1でじっくり話すやつは席の近い人としかできなかった。話したい人が増えた、って感じだな。コートと靴のことを色んな人から褒められた。作戦勝ちだ。担任からは「お前タバコ吸ってるのか。まあ一番吸ってそうだったもんな」と言われた。作戦勝ちだ。

春休み、家族で旅行に行く計画をしている。ハワイか沖縄か北海道だ。俺はハワイがいい。でも沖縄もいいな。北海道も捨てがたい。なんというか選ばないというのは、捨てたみたいで心が痛むんだ。物を捨てられないのもこのせいだ。思い出があるからではなく、テレビが可哀想なんだ。

帰りの駅で、酔っ払った外国人から話しかけられた。彼は日本に15年住んでいるが、未だに人の冷たさが好きになれないらしい。俺は結構好きだけどな。みんな心の底はあたたかいんだ。それを引き出すのが生きることの大変さであり、醍醐味だ。どっちが良いでもないけどね。

 

もう一度会いたい人が多すぎる。いつもそれを押し殺して生きている。無理矢理前を向いているから、過去に触れると振り向き方を思い出す。夢の中にだけ生きられたらいいのに。この孤独に打ち勝つのが大人になることなら、俺は死ぬまでガキでいい。

一人で歩いていたら、ずっと解けなかった方程式の解き方が分かった。正直これがあるから一人はやめられない。忘れないうちにメモ帳を開いたけど途中でやめた。後で思い出せない閃きなら、所詮その程度なんだ。出会いと別れはプラスとマイナスじゃない。